その後は……言葉にするのも、嫌になる。

 でも……すぐに香を助ける事はできなかった。

 自分自身に嫌気が差してしまったから。どうして香をあんなに苦しそうな状態にさせてしまうまで、俺は来れなかったのか。

 ……だから俺は、体が動いた一瞬の隙にここまで来た……というわけだ。

「香をここまでさせたのは、君たちなの……?」

「ち、違うわっ! あたしたちじゃ……」

 一人の女子生徒が、他の女子生徒を守るように一歩前に出る。

 だがすぐに、ある一人の女子生徒がその手を遮り俺の前まで来た。

「そうだよ。わたしは折羽さんに消えてほしかったの。だから制裁をあげたの、折羽さんに。」

「……っ。」

 悪びれもせず、まるで当たり前だというようにいう女子生徒。

 その生徒は俺が呆気に取られている間に、急に猫撫で声で媚びを売り始めた。

「わたし、この前西条君に告白したのよ。でも西条君、折羽さんが居るからって断ったよね? わたしのほうが折羽さんよりも西条君のことを分かっているから、折羽さんは邪魔だったの。頭の良い西条君なら、分かってくれるよね?」