甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

「……それこそ、私には分からないよ。」

 静流の感情や気持ちを熟知しているわけじゃないから、私に言われてもそう答えるしかない。

 小学生から……って言われても、それは私には関係のない事。

 それなのに私に当たってくる、理由は。

「立川さんは、静流のこと本当に好きなの?」

「え……?」

「本当に静流のことが好きなら、私のことなんか気にせずアタックすればいいでしょ。なのに私に当たってくる理由は、自分の気持ちが本当じゃないからなんじゃない?」

「……そんな、こと……っ。」

 か弱い女子をいじめる趣味はない。だからあまり、きつい言葉では言いたくない。

 でも結局は、そういう事なんだろう。

 立川さんは静流の表面だけを見ていて、そこまでして欲しくはない。

 手に入らなかったから、名前が出た私を愚痴のはけ口に使おうとしてるんじゃない。

 それは……静流に失礼だよ。

 けど私は言いすぎてしまったからか、パチンッと乾いた甲高い音が頬に当たる。

「折羽さんって最低ね。何もここまで言わなくても良いんじゃないの!」