彼女の周りには数人の女子が居て、わくわくとした様子で話をしていた。

「西条って、1組の西条静流のこと? コンテスト出るって事は、西条に告白するの?」

「う、うんっ。そのつもり……!」

「えーいいじゃん! 西条めちゃくちゃイケメンだし、立川さんなら絶対最優秀賞狙えるって!」

「そうかな……? えへへ、ありがとう。」

 男子はああいう女子が好きなんだろうなぁ……守りたくなるような、そんな子が。

 きっと静流も、立川さんに告られたらあっさり付き合うんだろうなぁ……なんて。

 冗談で思ったのに。

 ――ズキッ

 ……ん? 何で今、心臓が痛くなって……。

 原因不明の痛みに、思わず首を傾げる。

 だけども私は医者でも何でもないから、この痛みの原因がわかる事はなかった。



 あの後、立川さんは静流に告白したらしい。

 でも一刀両断、きっぱり振られたんだって女子の会話を盗み聞いた。

 静流、もったいない事してるなぁ……私だったら絶対、オッケーしてるや。

 可愛いもの好きの私。もちろん立川さんも、可愛いと思う部類に入る。