静流とのそんな非日常が始まって、そろそろ一週間が経つ。

 そういえば来週がコンテストだっけ……。

 私には関係ない事だけど、話をしている人が多すぎて嫌でも耳に入ってしまう。

「ねぇ誰と出るか決まった? あたしまだ決まってないんだけど……。」

「強制参加じゃないんだから別にいいでしょーが、そこまで必死にならなくても。」

「でもなんか出たいじゃん! あたしたち三年なんだから、もう今年っきりだからでたいの!」

「あー……分からなくもない。」

 今だって、そんな会話が耳に入ってくる。

 今年で卒業だとしても、私はさらさら興味はない。

 ……それなのに、別の場所から聞こえてきた言葉に心が揺れた。

「わ、わたしね……今年は西条君とコンテスト出たいなって思ってるんだっ。」

 西条……? 静流のこと、だよね……?

 この学年で西条は静流しかいない。だから間違いではないだろう、多分。

 そんな話を廊下でしているのは、三年の中でダントツに可愛いともてはやされている立川さん。

 立川さんはいわゆる小動物系らしく、モテ女子の部類に入る。