ふふっと笑いながら、静流に起こしてもらう。

「悪かった。急に押し倒したりして。」

「……押し倒したって自覚はあるんだ。」

「そりゃな。」

 まぁ、それもそっか。自覚なきゃしないよね。

 ……なんて表面上は呑気にしてるけど、内心は心臓バクバクだった。

 初めて押し倒された……。

 ドラマやアニメではよくそういうシーン見るけど、されたのは初めてで未だに心臓がうるさい。

 ……決して、静流に惚れたわけじゃない。

 私は一人コントのようにそう考え、頬をペチッと叩いた。