甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 そんな言葉とともに、私の視界は反転する。

 ドサ――っと、音が耳に残った。

 反射的に目を瞑ってしまったけど、どうなってるのかが知りたくて目を開ける。

「……しず、る?」

 瞬間私の視界には少し曇った空と……いつにも増して真剣そうな表情の、静流が居た。

 後頭部は静流に支えられていて、でも身動きは取れなくて。

 今の状態は俗にいう、押し倒し。

 私は静流に、押し倒されているのだ。

「……静流、何してるの。」

「それは香が自分のこと、貶めるような言い方するから。」

「貶めるなんて……事実でしょ。」

 そういうつもりは全くない。本当の事を言って何が悪いのか。

 そう思い、どうにかこの状況を打破しようと考える。

 でも静流も男だ。女の私が男の力に敵うわけがない。

 何とか身をよじるも、びくともしない。

 むしろさっきよりも、静流の力が強くなってる気がする。

 ……それと比例して、静流は悲しそうな表情へと変わっていく。

「何で静流がそんな表情するの。」

「香が好きだから、って言ってる。好きじゃなきゃここまでしない。」