甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 私はいつも一つのトートバッグに、自分の分と静流の分のお弁当を入れている。

 ……そういえば静流、お弁当とか大丈夫かな。

 そこまで考えて、はっとした。

 あれ、この状況って結構静流に申し訳ない事しちゃってる……?

 私はかつて、自分から静流の分のお弁当を作ってくると宣言した。

 だから静流はいつも、お弁当を待ってくれて幸せそうに食べてくれる。

 ……私が行かなければ、静流死ぬんじゃ。

 そう考えだしたら止まらなくて、背筋がゾーッと凍る。

 気まずい、けど……。

 嫌なら行かなければいい。顔を合わせたくないんだったら、いくら約束してても無視すればいい。

 私の悪魔的思考がそう訴えてくるけど、とりあえず取っ払う。

 ダメだ。無責任な事、私にはできない。

 告白してきた相手と気まずいからって、自分から言い出した事を放棄できるくらいの度胸は持ち合わせていない。

「……行くか。」

 だから私は結果から考え、席を立った。

 そのまま、いつも通りに屋上へ続く扉を開ける。