今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 ディルクの呼びかけにレナーテが応える。

 いつもならこういうときに指示を出すのはレスターだが、彼は先ほどから発言がない。

(これが本当にストーリーの流れに従ってるなら、勇者は喋らない)

 レスターに許されているのは『はい』か『いいえ』だけなのだ。

(……怖い)

 背筋がぞわりとするのを感じ、エステルの手が勝手に震える。

 ここが単なるゲームの世界ではなく命が宿った世界なのだと知ったのに、目の前で繰り広げられる予定調和のやり取りはひどく無機質だ。

 この場にいる幼馴染たちが急に〝キャラクター〟になる。

「わっ、私も戦う!」