今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 もしもゲーム通りの展開を迎えれば、彼らが今のように笑う日は二度と来なくなる。

 エステルは振り返ってレナーテの身体を抱きしめ返した。

「どうしたの、エステル?」

「……ううん」

 彼女のプロローグ後の人生はほかの三人よりも悲惨だ。

 奴隷商人に拾われた彼女は、整った容姿と貴重な魔法使いだったことから、悪辣な貴族のもとに高額で売られる。

 自由を奪われたうえに望まない魔法を使うよう強要され、人の尊厳を踏みにじられた彼女は、主人の命令でかつての仲間たちの前に敵として立ちはだかるのだ。

 最終的には無事に解放されてパーティーに加入するとはいえ、心の傷は最後まで癒えずに終わる。