今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 エステルには抱えるだけで精一杯の重い壺の中には、蓋に張り付くほどなみなみとミルクが注がれていた。

(こんなにたくさん……)

 毎朝搾るといっても牛の数が少ないために限りがある。

 普段は木の器に一杯飲めれば充分なのを考えると、エステルが感動するのも当然だった。

(小麦があったらパンケーキを作ってたのに。生みたての卵とミルクをたっぷり使って……。でもハチミツもメープルシロップもないや)

 エステルはミルクの入った壺をテーブルの中央に押し戻すと、小さく溜息をついた。

(ゲーム内世界のこういうリアリティはあんまりいらなかったなぁ。でもお米とか醤油があるだけマシ……?)