今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

「作ってくれてありがとう。片づけは俺がするから休んでていいよ」

「私もやるよ。一緒に片づけよう?」

 そう言ってエステルが立ち上がると、不意に彼らの家の扉を叩く音が響く。

「レスター、エステル。いる?」

 耳に心地よいやわらかで包容力に満ちた声はレナーテのものだ。

「いるよー」

 エステルが扉を開けると、外からふんわりと甘い香りが室内へ流れ込んだ。

「まあ、髪がくしゃくしゃじゃない。どうしたの?」

 心配したように言ったレナーテがエステルの前に屈むと、背中の真ん中ほどまでゆるく流れたオリーブグリーンの髪がやわらかく揺れる。

「さっきディルクにくしゃくしゃされたの」