「でもね、そうやって小さいときにいろんな経験をするのが大切じゃないかしら。私も何回も魔法を失敗したから今があるのよ」
「もし領地の経営を失敗しちゃったら?」
「だめなのか?」
心底不思議そうに言ったディルクが首を傾げる。
「失敗したらまた頑張ればいいだろ? 誰かに迷惑かけたら謝ればいい。失敗するのが怖いって言ってたら、なにもできなくなっちまう」
「ディルクって人の背中を押すのがうまいね」
エステルは三人の言葉を噛み締め、またレスターに視線を戻した。
「私、お兄ちゃんに領主になってもらって、お手伝いをするのがいいかなって思ってたんだけど……」

