そう言うと、レスターがぽかんとする。
「そういえばキュラス男爵のところでもてなされてるって聞いたのに、どうしてこうなってるんだ?」
「それはね、話すと長くなるんだ」
エステルが苦笑しながら言った横で、ゼファーが小馬鹿にするように鼻で笑った。
「兄だと主張する割には、妹の身になにが起きたかも知らんのか」
「なんだと?」
「どうして喧嘩するの」
そんな場合ではないだろうに険悪な雰囲気を漂わせたふたりを見て、あきれ顔のエステルが間に入ろうとする。
と、そのときだった。
崩壊した屋敷のほうから私兵を引き連れ、怒りで顔を真っ赤にしたゴダンがやってくる。

