今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 レスターの驚いた声が聞こえ、エステルはもう兄の中に別の誰かがいないことを悟る。

「……お兄ちゃん」

 エステルはいろいろな思いを胸の奥にしまい、大事な兄に改めて抱きついた。

「エステル? なんでここに……。いや、俺がなんでここにいるんだ? というか、ここって」

「説明はあとだよ。早くゼファーのところに戻らなきゃ」

「ゼファー? なんであいつが──」

 レスターの声は夜空に轟く咆哮に掻き消された。

「なんだよ、あれ……」

 崖際に立ち尽くしたふたりの目に、屋敷を内側から破壊しながら飛び立つドラゴンの姿が映る。