今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 エステルは名乗ろうとしないもうひとりの自分を抱きしめた。

「あなたの身体を奪ってごめんなさい……」

「……あなたは優しいね。でも私、次は守られるんじゃなくて守れる人間になりたかったの。だから奪われたんじゃなくて、望んで勇者になったんだよ」

 ふわ、とエステルの身体がひと際強い浮遊感に包まれる。

 レスターが崖のそばに降り立つと、エステルを下ろしてその頭を撫でた。

「むしろ私のほうがごめんなさい。勇者になっちゃったから、いろいろおかしなことになって……あなたがちっちゃいままなんだと思う。女神様ってそういうところがあるし」