今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 がしがし撫でられてエステルの髪が乱れると、隣にいたレスターが眉間にしわを寄せる。

「まったく、後できれいにしてあげるからな」

「レナーテにしてもらうもん」

 荒っぽい手から逃れ、エステルは自分の髪を整えながら言う。

 レナーテの名前を聞いたからか、急にディルクがそわそわし始めた。

「これ終わったら後でそっち行ってもいいか?」

「別にいいけど、これからご飯だよ?」

「なら、食い終わった頃に行く」

 こんなにわかりやすく態度に出ているのに肝心のレナーテには想いが届いていないし、ディルクもひそかに想いを募らせているレナーテの気持ちに気づかない。