今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 ゼファーは落ち込んだエステルをちらりと見やってから、ややあって溜息をつく。

「すぐに戻る」

 それを聞いてエステルがぱっと顔を上げた。

「うん!」

 ゼファーはエステルをベッドに下ろしてから、名残惜しげに涙の跡が残る頬を指で撫でた。

 そしてエステルには出られないバルコニーに向かって歩き出す。

「気をつけてね」

 エステルが声をかけると、外へ出る前にゼファーが振り返った。

「この私が人間に遅れを取るものか」

 自分の持つ力への絶対的な自信を見せ、ゼファーはエステルの前からふっと姿を消す。

 またひとりになったエステルは、先ほど触れられた頬をおそるおそる手で触った。