今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 エステルは封印されていたゼファーに何度もそう言った。

 それをゼファーは覚えていたのだ。

『水晶の中に封印されている間の記憶があるみたいだった』

 と言っていたのはレスターだったか。

 ゼファーの長い指が、絶句するエステルの目尻に残った涙を拭う。

「お前だけは殺さない。だから私を頼れ」

「どうして……?」

 エステルがしゃくりあげながら問うと、ゼファーが穏やかに目を伏せて微笑する。

「お前は私を独りにしなかった」

 ひくりとエステルの喉が鳴る。

 これまでゼファーと過ごしてきた日々がエステルの脳裏によみがえった。