今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 月明かりに照らされた長い銀糸の髪と、宵闇の中でぞっとするほど美しくきらめく血の色をした深紅の瞳。

 苛立ちを隠そうともせず現れたのはゼファーだった。

「なぜすぐ頼らな──」

 早々に説教を始めようとしたゼファーだったが、歩み寄った瞬間、エステルに抱きつかれて言葉を呑み込んだ。

「……泣くな」

 ゼファーは声にならない声をあげて泣きじゃくるエステルを、いつもと違って魔法では運ばず自身の手で抱きあげた。

 そのまま部屋に足を運び、すすり泣くエステルの背をぎこちなく撫でる。

「ごめ、なさ……言うこと、ちゃんと聞けば……よかっ……」

「いい」