エステルの本能が、何度も味わった激痛を避けようとこの先へ行くことを拒んでいる。
「動いてよ……!」
自分を奮い立たせるように言ったエステルだったが、足は震えるばかりでたった一歩も踏み出そうとしない。
「みんなが死んじゃうかもしれないんだよ。お願い……」
どんなに願っても、エステルの身体は思うように動かない。
エステルはなにもない宙に向かって腕を伸ばす。
「ゼファー、助けて……」
極限まで追いつめられたエステルの唇から名前がこぼれ出た瞬間だった。
「遅い」
バルコニーに黒い影が降り立つ。
「動いてよ……!」
自分を奮い立たせるように言ったエステルだったが、足は震えるばかりでたった一歩も踏み出そうとしない。
「みんなが死んじゃうかもしれないんだよ。お願い……」
どんなに願っても、エステルの身体は思うように動かない。
エステルはなにもない宙に向かって腕を伸ばす。
「ゼファー、助けて……」
極限まで追いつめられたエステルの唇から名前がこぼれ出た瞬間だった。
「遅い」
バルコニーに黒い影が降り立つ。

