今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

「じゃあ、あの村は君のせいで滅ぶことになるね」

 それを聞いたエステルの顔から血の気が引く。

「な、んで……」

「帰る場所がなければいいんだろう。ああ、お兄さんは生かしておくように言っておくよ。そのほうが君もやる気になるだろうから」

 あくまで声色は穏やかだが、そこに含められた意味は残酷だった。

(滅ぶ……って)

 足を一歩引いたエステルを、いつの間にか近くにいた使用人が捕らえる。

「は、放して……」

「一番いい部屋に案内してあげなさい」

 使用人たちはもがくエステルにはかまわず、男爵の命令に従って彼女を外へ引きずっていく。