今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

「え……」

「おもしろい魔道具なんかも作れるそうだね? 材料はいくらでも用意してあげよう」

 キュラス男爵が言うのは、発酵を促す魔道具のことだろう。

 エステルが提案したのは間違いないが、あれはレナーテの協力があって完成したものだ。

「でも、私……」

「金の心配だってしなくていい。その代わり、村には戻らずこの屋敷に留まることを約束してもらいたい」

 留まる、とやわらかな言い方をしているが、それはエステルの耳に『村には帰さない』という意味に届いた。

「できません……!」

 じわじわと沸き上がる得体のしれない恐怖に、エステルはとうとう席を立った。