今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 じわりと目頭が熱くなるのを感じたエステルは、涙をこぼす前に自分のまぶたを手で押さえた。

 純粋にゼファーへの好意を持って接してきたつもりのエステルだったが、ゼファーの言葉には強く思うものがあった。

 エステルはずっと自分が殺される未来を変えたくて生きてきた。

 元凶となるゼファーに対し、無意識に顔色を窺って不興を買わないようにしていた可能性は大いにある。

(違うもん)

 顔を覆っていたエステルの手の隙間から、涙が流れて落ちる。

(そんなふうに思ってたら一緒にいないもん)

 泣きじゃくるエステルの頬を、秋のひやりとした風が撫でた。