今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

(だけど行かないわけにはいかないよね。この辺り一帯を管理してる領主様なんだし、もしかしたら村にとっていい提案をしてくれるかもしれない)

 うつむいたエステルの顎をゼファーの長い指が捉えて持ち上げた。

「それでも行くのか?」

「……うん。村のためになる可能性があるなら、行かなきゃいけないと思ってる」

「ひとりで、か」

「だって男爵様はそれを望んでるよ」

 首を傾げて言ったエステルだったが、ゼファーの反応は芳しくない。

「以前、街でなにがあったか忘れたわけではなかろうな」

「大丈夫、忘れてない」

 ゼファーがなにか言いかけてから口を閉ざす。