「そのお酒は収穫祭まで熟成させておく予定だったんだけど?」

「ちゃんと熟成できてるかどうか、味見が必要だろ? だから俺が村を代表してだな」

 村での酒造りもかなり進んでいた。

 今ではベリーから造った度数の弱い酒だけでなく、余った芋や米を使ったものや、ハーブを漬け込んだ薬酒が生産されている。

 麹によってできた甘酒も、酒が苦手な村人に大好評だった。

 これらは日持ちもするため、村で消費するよりは交易品として使われている。

 先日、村を訪れた商人によると、メイナ村の名物として街で一定の人気があるそうだった。

「毎日味見したらなくなっちゃうからだめ」