今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 エステルは背中に冷たい汗が伝うのを感じ、ゆっくり深呼吸する。

「あなたは……ラズはゼファーに用があって来たの?」

「そうでもあるし、そうでもない。──君は魚を食べるのかな?」

 ラズが質問した相手はエステルではなかった。

 話しかけられたゼファーは小さく鼻を鳴らし、会話を拒むように顔を背ける。

「ゼファーはご飯を食べないみたいだよ」

「そう。じゃあ貝は? 私はあまり好きではないのだけど」

「貝も食べないんじゃないかな……?」

 エステルがゼファーの表情を窺いながら答える。

「人間は海藻を食べるよ。君は?」

「……海藻も食べないと思う」

 どうにも奇妙な会話だった。