今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

「私にとって距離はさほど問題にならんという意味だ」

「ん?」

 わざわざ説明してくれるのは珍しかった。

 エステルが小首を傾げて聞き返すと、ゼファーは頬杖をついたまま鼻を鳴らす。

「海に行きたいのか?」

「うん? 行けるならの話だけど」

 木の器に入ったぬるいミルクを飲み干し、エステルがうなずく。

「魚も食卓に並べられたらうれしいよね。料理の種類も増えるし、醤油……っていうか魚醤も作れるようになるでしょ? あとはね、塩」

 ここへ来て以来、ずっと求め続けていたものを思い浮かべ、エステルは身を乗り出していた。