今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

「ゼファーもあーんしてあげようか」

 エステルが言うと、露骨に嫌な顔をされる。

「口に合わんものを食わせようとするな」

「ひとりでこの量は多いんだもん」

「知るか」

 エステルが一方的にじゃれていると、不意に近くの席の会話が耳に入った。

「相変わらずしけた味してんねぇ。たまには新鮮な魚も食べてみたいもんだよ」

 ふたり連れの客はどちらも男で、一枚の皿に乗った魚をつついている。

「だったらテルメールに行くんだね。うちにはそんな高級品ないよ」

「あんな港町まで行く金なんかあるかよ」

 ははは、と店主と一緒に男たちが笑う。