今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 ゼファーはエステルを片腕に座らせると、彼女の服の裾についていた砂を払った。

「お前をつけ狙う人間どもに気づかなかったのか?」

「やっぱり私、追いかけられてたんだね」

 追手の姿を確認していなかったのもあり、エステルの反応はどこか他人事だった。

 それが気に入らなかったらしく、ゼファーの眉間に寄ったしわが深くなる。

「もうひとりはどうした」

「お兄ちゃんのこと? 騎士団でお稽古してるよ」

「……あれならお前をひとりにはすまいと思ったが、見当違いだったようだな」

 あきれと失望を滲ませた声だった。

 エステルはまだ理解が追いつかず、手を伸ばしてゼファーの顔に触る。