今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 奥側にいる騎士たちは並んだ人々の話を聞いて判断を下し、自分が対応した案件を歩き回るほかの騎士に伝えている。

(役所っぽい。……自分の名前も覚えてないのに、そういうことは覚えてるんだな)

 レスターの見えないところで苦笑していたエステルは、テーブルを挟んでこちら側に位置している階段に目を向けた。

(向こうはなにがあるんだろう?)

 並んでいる間は暇だからと、近くにいた騎士のひとりに尋ねようとしたときだった。

 背後からざわざわする声が聞こえ、兄妹は同時に振り返る。

「ハーグ騎士団長だ」

 そんな言葉がエステルの耳に入ると同時に、甲冑に身を包んだ大柄な男が現れた。