おとなしくされるがままになり、やがてエステルはふたりでいるときの定位置──宙に座ったゼファーの膝の上に下ろされた。
彼がなにかとエステルを抱えたがるのは、身長差のせいで視線が合わないから、という理由によるようだ。
「レナーテがびっくりしてたよ」
「だろうな」
「わかっててやったの?」
「今のあの人間には及ばない領域だとはわかっていた」
今の、と言ったことをエステルは聞き逃さなかった。
「いつかはレナーテもあなたくらいの魔法を使えるようになるんだね」
「知らん」
口癖なのではないかと錯覚するほどの即答だったが、エステルはほっとしていた。
彼がなにかとエステルを抱えたがるのは、身長差のせいで視線が合わないから、という理由によるようだ。
「レナーテがびっくりしてたよ」
「だろうな」
「わかっててやったの?」
「今のあの人間には及ばない領域だとはわかっていた」
今の、と言ったことをエステルは聞き逃さなかった。
「いつかはレナーテもあなたくらいの魔法を使えるようになるんだね」
「知らん」
口癖なのではないかと錯覚するほどの即答だったが、エステルはほっとしていた。

