今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 エステルの吐いた息が白く凍りついて宙に消える。

(あの人は、物語通りに進んでいれば魔王って呼ばれるような人なんだった)

 この村ではレナーテが一番の魔法の使い手だ。

 彼女の衝撃は、真の意味ではほかの村人に伝わらない。

「レナーテはゼファーが怖い?」

 深く考える前に、エステルの唇からそんな質問が飛び出ていた。

 レナーテは視線をさまよわせて悩んだあと、エステルに向かって首を縦に振る。

「……無知って嫌ね。わからないから怖いのよ。私にもっと魔法の知識があったら、純粋な気持ちで尊敬できたかもしれないのに」

「レナーテは悪くないよ」

(ゼファーが規格外なだけ)