今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

(ゼファーにはなんのメリットもないはずなのに。まだ返したい借りがあるってこと? どういうつもりなのかわからないよ)

 鳥より高い場所で話しているのも忘れ、エステルはゼファーの顔を覗き込む。

 彼がどんな心理で語ったのかを表情から探ろうとしたからだが、あいにくそこにこれといった感情は見えなかった。

「備えるって言っても、あんな小さな村でどうやって……」

「お前には特別な力があるだろう」

「えっ」

 すっと動いたゼファーの手がエステルの胸の近くで止まる。

(もしかして転生者だって気づいて──)

「……ここだ」

 探るように動いた指がエステルの左胸の──心臓の位置を示した。