今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

(無理無理、だってこんな高さ……)

 ちらっと下を見たエステルは絶句した。

 眼下に広がる光景は、これまで彼女が世界のすべてだと思っていた場所の小ささを強く実感させる。

 ゲームをするときはテレビ画面に収まっていたものが、今は大きく首を動かして見回してもそのすべてを捉えられない。

 雪を冠した霊峰も、果てしない大海原も、中央にオアシスがぽつんとあるだけの砂漠も、現実のものとしてエステルの前に存在していた。

(ここはゲームの世界だけど、現実なんだ)

 これまで何度思ったかわからないことをもう一度噛み締め、エステルはめまいを感じる前に再びゼファーの胸に顔を埋めた。