今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~

 そんな声が聞こえると同時に、飛ぶ鳥よりも高い位置に落ち着いたゼファーが宙に腰を下ろしてくつろぐ姿勢に変わる。

 そしてエステルの身体を、組んだ自身の膝の上に無造作に置いた。

「だ、だめ、手を離さないで」

 雲がすぐ横を泳ぐほどの高さから落ちればどうなるか、考えるまでもなかった。

 エステルは半泣きになりながらゼファーにしがみつき、絶対に離れまいと黒い服に爪を食いこませる。

「自身の暮らしていた村が見えるか、人間」

「見たくないぃぃ」

 名前を教えたにもかかわらず、ゼファーはエステルを人間と呼んだ。

 しかし今の彼女にそれを気にしている余裕はない。