「助けてくれたんだから悪いやつじゃねーよ。エステルはあいつのこと、嫌いなのか?」
「そういうわけじゃない、けど……」
封印が解けた魔王の力の強大さにあてられて気絶したというのに、幼馴染たちが気にしている様子はない。
その姿は少しだけ、ゲームのストーリーを進めようとする〝キャラクター〟らしさをエステルに感じさせた。
(こういうところもご都合主義ってことなのかな)
「俺は正直、反対」
レスターが椅子を立って言う。
「魔族がどうのっていう以前に、すごく禍々しいものだと思ったんだ。……エステルには近づかせたくない」
それはいつもの過保護と似ていて少し違うようだった。

