お風呂で、死ぬのが絶対的に幸福なのではないか、と考えた。
 死=無とすると、無になれば、苦しいこともなくなるのだから、死は絶対的幸福なのではないか、と考えた。
 死んで無になるのなら、楽しいこともないじゃないか、という反論も考えた。
 死んで無になるのなら、楽しいということもない、ということもない、
 人類に敵対する考え方ではないか、と考えた。
 これを発表したら、世界中大騒ぎになる、と妄想した。世界中から知識人が僕を論破に来ると、妄想した。
 僕は死絶対幸福理論を発表することを考えた。
 「死とは」という本を出すことも妄想した。
 僕は天才で有名になるのだ。
 そうして小説を考えた。