アルのリードは驚くほど踊りやすかった。
ステップはスムーズで安定感がある。今までで一番踊りやすいかもしれない。
彼はこんなに優雅なダンスをいったいどこで覚えたのだろう。雇われ護衛にしては完璧すぎる。
「アルはいったい何者ですの?」
「何者だと思う?」
質問を質問で返すなんてやっぱり意地悪だ。この足踏んでやろうかしら。
姿勢を崩さず正しいステップを踏みながら上目遣いにじっとりと見上げると、彼がくすりと笑う。
「当てられたら願いをひとつ聞いてやるよ」
「どんな願いでも?」
「俺ができることならな」
彼はもうすぐここを出て行くのだ。きっといつものからかいなのだろうと思い、にこりと微笑んで「考えておきます」と返事をした、そのとき。
「お嬢様ーー!」
屋敷の方からマノンが小走りにやって来る。
「そんなに慌ててどうしたの、マノン」
リリィのところまでやって来たマノンが、息を切らしながら一通の手紙を差し出した。スズランの意匠の封蝋が目に留まる。
「家からだわ」
「たった今、使いの者が来て渡されました。速やかにお返事をとのことです」
手紙を受け取ったリリィは中を開く。書かれてある文字にさっと目を走らせながら、みるみる瞳を見開いた。
「宮廷からのお呼び出しですわ」
ステップはスムーズで安定感がある。今までで一番踊りやすいかもしれない。
彼はこんなに優雅なダンスをいったいどこで覚えたのだろう。雇われ護衛にしては完璧すぎる。
「アルはいったい何者ですの?」
「何者だと思う?」
質問を質問で返すなんてやっぱり意地悪だ。この足踏んでやろうかしら。
姿勢を崩さず正しいステップを踏みながら上目遣いにじっとりと見上げると、彼がくすりと笑う。
「当てられたら願いをひとつ聞いてやるよ」
「どんな願いでも?」
「俺ができることならな」
彼はもうすぐここを出て行くのだ。きっといつものからかいなのだろうと思い、にこりと微笑んで「考えておきます」と返事をした、そのとき。
「お嬢様ーー!」
屋敷の方からマノンが小走りにやって来る。
「そんなに慌ててどうしたの、マノン」
リリィのところまでやって来たマノンが、息を切らしながら一通の手紙を差し出した。スズランの意匠の封蝋が目に留まる。
「家からだわ」
「たった今、使いの者が来て渡されました。速やかにお返事をとのことです」
手紙を受け取ったリリィは中を開く。書かれてある文字にさっと目を走らせながら、みるみる瞳を見開いた。
「宮廷からのお呼び出しですわ」



