「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
「あのうわさ? ああ、あの悪女ってやつのことか」
「はい」
彼はあごに手を当てて黙った。リリィは無意識に息を詰め、彼をじっと見つめる。
「そうだな。とりあえずは夕飯にトカゲやヘビが入っていないか確認する」
「ヘビっ! そんなもの絶対入れませんわ!」
「本当か?」
不敵に口の端を上げた彼に、はっとした。ヘビが苦手だと知った上でからかわれたのだ。
「意地悪するなら、今日の夕食はアルだけお肉なしですわよ」
思わず膨れながらじっとりと睨む。
せっかく久々にまともな料理をふるまおうかと思っていたけれど、固いパンだけにしてやろうかしら。
「それは困るな。でもじゃあ悪女ってなにをするんだ?」
純粋に疑問を感じている彼に、にっこりと微笑んで見せる。
「殿方を手玉に取って贅沢の限りを尽くすそうですわよ」
「手玉……」
「ええ、手玉ですわ」
社交界であれこれと立てられたうわさをざっくりまとめてみた。
お手玉とけん玉ならともかく、そんなものまったく取りたくもない。痴情のもつれとは一番縁遠いところで平和に暮らすのが今世の目標なのだ。
「わかった」
ようやく納得してくれたようだ。
「じゃあさっそくニワトリ小屋作りに取りかかりましょう。わたくし、ジャンを呼びに行ってまいりますわ」
くるりと背中を向けたところで、後ろから肘のあたりをつかまれた。
「まだなにか」
言いながら振り向いた瞬間、腰をさらうように抱かれた。
「あのうわさ? ああ、あの悪女ってやつのことか」
「はい」
彼はあごに手を当てて黙った。リリィは無意識に息を詰め、彼をじっと見つめる。
「そうだな。とりあえずは夕飯にトカゲやヘビが入っていないか確認する」
「ヘビっ! そんなもの絶対入れませんわ!」
「本当か?」
不敵に口の端を上げた彼に、はっとした。ヘビが苦手だと知った上でからかわれたのだ。
「意地悪するなら、今日の夕食はアルだけお肉なしですわよ」
思わず膨れながらじっとりと睨む。
せっかく久々にまともな料理をふるまおうかと思っていたけれど、固いパンだけにしてやろうかしら。
「それは困るな。でもじゃあ悪女ってなにをするんだ?」
純粋に疑問を感じている彼に、にっこりと微笑んで見せる。
「殿方を手玉に取って贅沢の限りを尽くすそうですわよ」
「手玉……」
「ええ、手玉ですわ」
社交界であれこれと立てられたうわさをざっくりまとめてみた。
お手玉とけん玉ならともかく、そんなものまったく取りたくもない。痴情のもつれとは一番縁遠いところで平和に暮らすのが今世の目標なのだ。
「わかった」
ようやく納得してくれたようだ。
「じゃあさっそくニワトリ小屋作りに取りかかりましょう。わたくし、ジャンを呼びに行ってまいりますわ」
くるりと背中を向けたところで、後ろから肘のあたりをつかまれた。
「まだなにか」
言いながら振り向いた瞬間、腰をさらうように抱かれた。



