「どうされたのですか?」
「リリィ=ブランシュ嬢」
「リリィで結構ですわ」
「リリィ。おまえ、今日なにを買った」
「なにって……野菜の種とドライフルーツと膨らし粉、スパイスを数種類。えっと後は……あ!」
マノンに支えられながら食堂へ向かうと、テーブルの下でヒヨコが三羽、紙袋をつついている。
「ああ……すっかり忘れておりましたわ」
街でヒヨコを買ったときに、竹かごに布をかけ紙袋の底に入れておいたのだった。
ニワトリを放し飼いにしておけば、虫や雑草を食べてくれる。ふんは肥料にもなる。なにより産んだ卵を使って料理を作りたいという野望があった。
「お嬢様ったら」
脱力したようにマノンが息をついたが、リリィの頭の中はヒヨコのことで忙しい。
「ニワトリ小屋を用意しなければいけませんのに、この足では難しいですわよね」
「小屋もないのか?」
「それが、あるにはあるのですが」
庭の隅にあるニワトリ小屋は長い間使われておらずぼろぼろだった。修理してからヒヨコを迎えようと思っていたのに、つい勢いで先に買ってしまった。
アルは腕を組んで黙ったままリリィをじっと見てから、おもむろに口を開いた。
「その足が治るまでここにいてやる」
「え?」
「護衛兼修繕屋だ。その間にちゃんとした護衛を探せ」
「どうして……」
さっき街でリリィの悪名を聞いたはずだ。それなのにどうして。
「リリィ=ブランシュ嬢」
「リリィで結構ですわ」
「リリィ。おまえ、今日なにを買った」
「なにって……野菜の種とドライフルーツと膨らし粉、スパイスを数種類。えっと後は……あ!」
マノンに支えられながら食堂へ向かうと、テーブルの下でヒヨコが三羽、紙袋をつついている。
「ああ……すっかり忘れておりましたわ」
街でヒヨコを買ったときに、竹かごに布をかけ紙袋の底に入れておいたのだった。
ニワトリを放し飼いにしておけば、虫や雑草を食べてくれる。ふんは肥料にもなる。なにより産んだ卵を使って料理を作りたいという野望があった。
「お嬢様ったら」
脱力したようにマノンが息をついたが、リリィの頭の中はヒヨコのことで忙しい。
「ニワトリ小屋を用意しなければいけませんのに、この足では難しいですわよね」
「小屋もないのか?」
「それが、あるにはあるのですが」
庭の隅にあるニワトリ小屋は長い間使われておらずぼろぼろだった。修理してからヒヨコを迎えようと思っていたのに、つい勢いで先に買ってしまった。
アルは腕を組んで黙ったままリリィをじっと見てから、おもむろに口を開いた。
「その足が治るまでここにいてやる」
「え?」
「護衛兼修繕屋だ。その間にちゃんとした護衛を探せ」
「どうして……」
さっき街でリリィの悪名を聞いたはずだ。それなのにどうして。



