私が朝比奈くんの席まで向かうと、パソコンを打っているのかと思っていた朝比奈くんは肩ひじをついて居眠りをしていた。

残業続きで疲れているのだろう。


朝比奈くんは私より会社から電車で離れたところに住んでいるから、残業となれば家につくのは深夜になってしまう。


しかし、朝比奈くんが愚痴をいうことはない。
それどころか、いつも率先して仕事をしてくれるから、助かってはいるけど無理をしていないか心配なる。


私はそっと朝比奈くんの隣の席に腰を下ろした。


起こそうかどうか迷う。

しかし、いつも大人びた言葉を並べる朝比奈くんのあどけない寝顔に思わず笑顔がこぼれた。

あと、15分だけ眠らせてあげよう。


私は肩ひじをついて目を瞑ったままの
朝比奈くんの寝顔を眺めながら待つ。


本当にこの子は綺麗な顔をしてる···。

綺麗な白い肌に、高く通った鼻筋の先には血色のよい唇。
まつ毛なんて女の子が羨むほど長い。


私は思わずその綺麗な寝顔に見惚れてしまう。