誰でもそうだし、私のことを知っている人はもちろん知ってるし、私は小学校に通っていた。それは私の過去であり、そこから現在までの時系列による同一性がある。つまり小学校に通っていなければ、自分と同一物ではない。
 近くの小学校が小さいため、隣町の小学校まで歩いて通った。子供の足で2,30分ぐらいだったと思う。朝6時に自衛官の父と起きた。
 7時に班で登校した。
 
 あるとき、がりがりに痩せた犬が通学路に出没するようになった。私は自衛隊の官舎に住んでいた。別の官舎の棟に幼稚園のときからの友達のO君という男の子がいた。当時「ビリ犬」というアニメがはやっていた。その中にガリ犬というキャラクターがあった。O君はがりがりの野良犬をガリ犬と名付けた。
 ガリ犬は、学校にもやってきた。ある日、ガリ犬はいなくなった。役所にでもひきとられたのだろうか?僕は、ノートにガリ犬をモデルにした小説を書いた。「吾輩は犬である」である。これはノートに書いたのだから、自分が読むだけだった。だからただ書いただけのつまらない小説だ。