(もう片方の腕も撃ち抜くしか……!)

桜士がそう思った刹那、「何をしてるんだ!!」とeagleのメンバー全員が傷だらけになりながらもミンジュンを止めてくれた。ミンジュンの顔を見た時の全員の驚いた顔を、桜士は今でも覚えている。

「帰ってくれ。話すことは何もない」

ミンジュンはそう言い、布団に潜り込もうとする。それをヨハンがため息混じりに言った。

「お前がなくてもこっちはあるんだよ!言いたいこと、山ほどな!」

ミンジュンの手が止まる。すると、一花がミンジュンに近付き、首に掛けていた認識表を外した。それは、ミンジュンのものである。

「これ、ミンジュンのだから。返すね」

そう言った一花の声は震えていた。そして、鼻を啜る音が病室に響き、一花の目から涙がどんどん溢れていく。

「一花、悲しいよな。俺がこんなことになって。ごめん」

ミンジュンが俯きがちに謝ると、「違うの!」と一花はすぐに否定する。彼女は、泣きながら笑っていた。優しい笑みが、そこにはあった。