警察病院の駐車場に車を桜士が止めると、病院の前ではすっかり見慣れてしまった人の顔があった。その一人一人の顔を、桜士は見ていく。

外科医、クラウディオ・エルナンデス。

小児外科医、ヨハン・ファジル。

産婦人科医、モニカ・ハイド。

麻酔科医、アルフレッド・ブレイディ。

内科医、ナタリア・ソーニャ。

看護師、アルオチ・キバキ。

看護師、オリバー・ホープ

薬剤師兼臨床工学技士、リティク・タゴール。

救急救命医、四月一日一花。

誰一人として欠けてはいけないeagle全員の顔は、十とは違った緊張に満ちていた。桜士は真剣な顔で言う。

「行きましょう」

病院の中へと入り、目的の病室まで歩いて行く。誰も何も言わず、ただ足音だけが廊下に響いた。廊下を歩き、エレベーターに乗り、目的の病室まで迷うことなくたどり着く。部屋の前では制服を着た警察官が見張りをしており、桜士は警察官に声をかけた。

「ご苦労様。少し外してくれ」

「了解しました!」