そんな三人は今、組織の新たな稼ぎとなるであろう囚われた女性の元へと食事を届けるために歩いている。女性の世話は幹部が行っていたのだが、その幹部たちは今、公安たちとの戦いのための準備で忙しく、三人が世話を任されたのである。

(この作戦がうまくいったら、俺は晴れて幹部入り!給料も桁違いだ!)

男性のうち二人の頭には少なからずそのような考えがあった。そのため警戒を常にしているのである。

長い廊下を歩き、三人は地下へと続く階段を降りていく。一歩歩くたびにコツコツと足音が静かな廊下に響き、女性を監禁している部屋に近付くたびに、三人の周りを纏う空気は空気はピリピリとしたものになっていく。

女性を監禁している部屋は、女性が逃げ出せないように厳重に鍵がかけられている。分厚い扉には二つの鍵と電子ロックが付いており、内側から開けることは不可能である。つまり、誰かが開けない限り、女性は外に出ることはできない。