広いアジトの中は、一瞬にして喧騒に包まれていく。

「お前ら、何者だ!!」

「今、その場で跪いたら撃たないでやる!!」

アジトに一歩桜士たちが入り込んだ刹那、周りをぐるりと銃を持った組織の人間に取り囲まれる。恐らく、コードネームを与えられていない下っ端だろう。

「……って言ってるけど、どうする?」

アルフレッドが楽しそうなゲームが始まる前のように、どこか目をギラつかせながら桜士たちに訊ねる。桜士は組織の人間たちを見る。彼らの銃を持つ手は、小刻みに震えていた。

「もちろんこうするさ」

桜士がそう言い、目の前にいる男性に向かって走り、腕を掴んで素早く顎を蹴り上げると、モニカたちも同じように戦闘を始める。

「退け!お前らを相手にしてる暇はねぇんだよ!」

ヨハンが、組織の人間から奪った銃を地面に向かって発砲する。地面に絶えることなく撃ち込まれる弾丸に組織の下っ端は顔を真っ青にし、戦意を次々と失っていく。