恋愛ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、推しカプの仲人に忙しいので、そちらはどうぞ勝手にお幸せに



ぽろり、と涙がこぼれ落ちますが、恥ずかしくて慌てて涙を拭いました。

「あ、ありがとうございます……カイン殿下。しかし、そんな甘い雰囲気はヒロインに向けてあげてくださいませ」
「ヒロイン?アイカって女か?」
「えっ!?」

まさか、カイン殿下がご存知とは。もうヒロインと接触したのでしょうか?

「ならば、すぐ婚約破棄しましょう!」

わたくしがそう告げると、喜びいさんで同意すると思ったのに……カイン王太子はなぜか不機嫌そうになってますわ?

「いや、婚約破棄はしないし、必要もない」
「なぜですの?あなたはヒロインを愛したのではありませんか?」

わたくしが当然のことを申し上げましたのに、カイン王太子はますます不機嫌になられます。なぜですの?

「オレは、ゲームの登場キャラクターではない。自分の意思がある生きた人間だ」
「はぁ……まあ、そうですわね」
「だから、自分のことは自分の意思で決める」

カイン王太子はわたくしの手を取ると、まっすぐに見つめてまいりました。