「わたくしが先行で露払いをいたしますわ」
わたくしは進んで申し出ました。
大切な推しカプを、危険に晒すわけにはまいりません!
このために普段から体を鍛え、魔法の鍛錬を怠らなかったのですから。
「マルガレーテ、危ないわ!やめて!!」
心配性なお姉様が青い顔で止めてくださいますが、わたくしはにっこり笑って言いますの。
「お姉様、わたくしの実力はご存知でしょう?逆に森を燃やさないよう監視しておいてくださいな」
以前、わたくしはドラゴンを退治するため、魔法が暴発して山ひとつをまるごと消した前科がありますの。魔物程度怖くありません。そう、大切な推しカプのためですもの。たとえ火の中水の中。このマルガレーテ、どこでも向かいますわ!
「では、わたくしも後ろに続きますわ。姉として、あなたを助けます」
お姉様は争い事が嫌いで戦いなど最も毛嫌いしているのに……震えながらも、精一杯勇気を奮い立たせて妹のためにそうおっしゃられる。
なんと、健気なのでしょうか。
「わかりました。では、シシ。お姉様を御守りして差し上げてくださいな」
「はい、マルガレーテお嬢様。リリアナ様は我が命に代えても御守りいたします」
シシは真剣な顔で頷いたのですが…それを複雑な顔で見ていた方々がいらっしゃいましたようです。



