「モニカお姉様、ご婚約おめでとうございます」
「ふふ、ありがとう。マルガレーテ」
そしてアクスフィアに来たもう一つの目的が、第2王女のモニカ殿下の婚約お祝いですの。
わたくしが手を回してもなかなか婚約が決まらなくてやきもきしましたが、アベル似の美丈夫を用意したらあっさりと婚約を決められたのです。
お相手は2つ隣の小国とはいえ王子様です。将来は王妃にもなれるかもしれませんわね。
(やりましたわ…これでマリネのライバルはいなくなりました!マリネ、アベルと好きなだけイチャイチャしなさい)
とはいえ、わたくしもライバル蹴落としでなったとはいえ、モニカ王女のお友達。彼女自身もしあわせになってほしいのです。
モニカ王女が婚約されたレイン王子は賢く穏やかで賢王になると評判がいいお方。きっと彼女は大切にされしあわせになれるでしょう。
モニカ殿下は侍女が広げたドレスをうっとりと眺められます。
「シルクのドレス……ダイヤモンドと同じ七色に輝く生地なんて初めて……とても美しいわね、ありがとう」
「いえ。モニカお姉様の美しさには敵いませんわ」
「あらあら、おだててもなにも出せないわよ。……でも、このドレスで婚約式に出るのね……」
シルクのドレスはシンプルなデザインですが、サテン生地のように光沢があり七色の輝きが引き立つようにしてますの。アンナとモニカ殿下に贈ったお祝いは、わがバーセンハイムの特産品の宣伝も兼ねておりますわ。
お二方、しっかりアピールなさってくださいませね!



