ストーカー気質な彼女は,甘い溺愛に囚われる。

「ほんと?」

「……うん,好きです。ずっと……っ,今も,信じられな……」



今なら,許される気がした。

でも,ほんとはそんなのどうでもよくて。

ただ,可愛さに耐えられなくて,そっと抱き締める。

そうすると,陽深ちゃんのくるくるした髪が,差し込んだ俺の手に絡み付いた。



「俺も,好きだよ。(ひな)

「はぅ……わ,へ,ぁ……ぅぅ」

「陽ちゃん? やっぱり,陽深ちゃん?」

「ぁ,の……遊ばないで,ください……静流,くん」



敬語になってしまう陽深ちゃんの耳がやっぱり真っ赤で,俺の特別(とっけん)だと思うと,やっぱり心が踊る。

嬉しくて,可愛くて。



「ごめんね,陽深ちゃん」

「なっ……なにが……?」

「さっき……陽深ちゃんのこと。出来るだけ誰よりも優しくするって言ったけど」



ー優しく,し過ぎちゃうかもしれない。



抱き締めて,微笑んで,大事にして。

たまに,意地悪して。

そう言う欲求と衝動が,もう既に抑えられない。

こうゆうの,俗に何て言うのか,知ってる。

溺愛,そう,確か。

溺れるくらい,愛してしまう。

陽深ちゃんが,他の誰も映せないくらい。

俺には陽深ちゃんが,あまりに可愛すぎる。



「大好き」



そう言うと,陽深ちゃんの髪の毛が,恥ずかしそうに揺れた。



                  ーFin